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  • 業務改善
  • 2024.7.29

MRP(資材所要量計画)とは?生産計画との違いや計算の流れを解説

MRP(資材所要量計画)は、生産効率の最適化を目指す計画です。製造業において非常に重要なMRPですが、詳細を知らないという方も多いでしょう。

そこで本記事では、MRPの概要や主な流れ、導入におけるメリット・デメリット、注意点を解説します。

MRP(資材所要量計画)とは

まずはMRPの概要や重要性、生産計画との違いを解説します。

MRPの概要

MRP(Material Requirements Planning)とは資材所要量計画の略称であり、「必要な資材を」「必要な量」「必要な時に」調達するための計画です。

主に製造業で使用される概念であり、生産計画や部品表(BOM)、在庫情報など様々なデータに基づいて、資材の調達量・時期を計画します。

MRPの主な導入目的として、過剰在庫・在庫不足の防止や、生産効率の向上などが挙げられます。

製造業におけるMRPの重要性

製造業においてMRPは、生産効率の向上や適切な在庫管理を目指すうえで、非常に重要です。

MRPを導入することで、生産計画を基に必要な資材をタイムリーに調達でき、過剰在庫や在庫不足を防ぎます。これにより生産の中断を防ぐことができ、生産効率が向上します。

また、MRPと生産計画を連動して管理することで、生産計画の変更にも柔軟に対応でき、企業の生産活動がさらに円滑になります。

生産計画との違い

生産計画は、製品の生産量や生産スケジュール、生産ラインの配置などを決定するプロセスを指します。

一方でMRPはこれまで解説した通り、製品を製造するために必要な資材を、必要な時に必要な量だけ調達するための計画です。MRPは生産計画に基づいて、資材の調達量が決定されます。

よって、MRPは資材管理に特化した計画・管理手法であり、生産計画は生産プロセス全体の管理であるといえます。

MRPのメリット・デメリット

続いて、MRPを導入するメリットとデメリットを解説します。

MRP導入のメリット

MRPを導入するメリットは、以下の4つです。

  • 在庫管理の適正化
  • コスト削減
  • 生産性向上
  • 柔軟な生産計画変更への対応

MRPを導入することで、必要な資材の量を正確に把握でき、適切なタイミングで発注をかけることで過剰在庫や不足在庫を防ぐことが可能です。

また、適切な在庫管理により、資材の保管コストや廃棄コストを削減でき、企業の利益率向上にも寄与します。

さらに在庫管理と生産計画の精度が向上するため、生産活動がスムーズになり、生産性向上が実現できます。

生産計画と連動するMRPシステムを活用することで、計画の変更やキャンセルに対しても迅速に対応でき、在庫の無駄や生産遅延を防ぐことが可能です。

MRP導入のデメリット

一方で、MRPを導入する際のデメリット・課題は以下の2つです。

  • データへの依存度が高い
  • リアルタイムでの情報共有が必要

MRPは、生産計画や在庫情報、部品表(BOM)のデータを基に計画を策定するため、これらのデータ精度に大きく依存します。そのため、常に最新かつ正確なデータを管理しておくことが重要です。

また、生産計画の変更や在庫の増減にスムーズに対応するため、リアルタイムでの情報共有が必要不可欠です。現場部門と間接部門の連携を密に行える体制の構築が求められます。

MRPの流れ

MRPは、以下4つの流れで計画を実施します。

  • 需要予測・生産計画の策定
  • 部品表(BOM)の確認・作成
  • 所要量計算
  • 資材発注

まずは市場調査を実施し、需要を予測し、その需要を基に生産計画を策定します。具体的には、製造する製品の種類や数量、開始日、納期などを決定します。

続いて、製品を製造するための部品表(BOM)の有無を確認します。既存の部品表がない場合は、新たに作成しなければなりません。

作成したBOMを基に必要な資材の量を計算します。この際、現在の在庫を考慮しつつ不足する資材の量を算出することが重要です。

不足する資材については発注先を選定し、発注をかけます。

以上がMRPの主な流れです。

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MRP導入時における注意点

MRP導入時には、以下2つの注意点があります。

  • 部品表(BOM)作成の効率化が求められる
  • 計画だけでなく進捗管理も重要

それぞれのポイントについて解説します。

部品表(BOM)作成の効率化が求められる

MRPは部品表のデータを基に計画を策定するため、正確な部品表を作成することが重要です。

特に製品の品種が多い製造業では、新製品(品番)の開発時や製品仕様が変更になるたびに部品表の作成や見直しが必要になります。

しかし、毎回部品表を作成・メンテナンスしていると非常に時間がかかるため、部品表作成の効率化が求められます。

個別受注生産の企業では、受注してから資材を発注するためMRPは不要ですが、製品を受注するたびに部品表の作成が必要となります。

専用のソフトウェアを活用して部品表をデジタル管理することや、過去の部品表データを流用し、新規作成を簡略化することが大切です。

計画だけでなく進捗管理も重要

計画の立案・実施後について、実際の生産が計画通りに進んでいるかを確認することも大切です。

進捗管理を行うことで、問題が発生した際の早期発見につながり、迅速に対処することができます。

そのためにも、製造状況をリアルタイムで監視できるシステムの導入や、現場との密なコミュニケーションが必要不可欠です。

まとめ

MRP(資材所要量計画)は、製造業において生産効率の向上を目指すための計画です。

生産計画や部品表(BOM)、在庫情報などを基に、必要な資材を必要量、適切なタイミングで調達することを目的としています。

これにより、過剰在庫や在庫不足を防ぎ、コスト削減や円滑な生産活動を実現します。また、MRPと生産計画を連動して管理すれば、計画の変更にも柔軟に対応することが可能です。

一方で在庫や部品表データへの依存度が高く、正確なデータの作成・定期的な整備が求められます。

本記事の内容が、MRPへの理解を深めることにつながれば幸いです。

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